CPFのUfokillerzさんとの共同作業で世界中のCPF'erに配布されたMAG-MiniHID 3rd versionです。
ボディ加工及び日本向けのものはバラスト組み込みまで私が担当しましたので、その製作手法をここに公開いたします。




【電池ボックス組み立て】

厚さ1mmのFRPプレートにケガキ線を入れます。作例の場合は大量生産時、プレートの無駄を出来るだけなくすためにギリギリの寸法でケガいておりますが、大量生産の必要がない時には少し採寸に余裕を持たせた方が作業が楽になります。




バンドソーを立ててコンターモードにしてFRP板を切断します。ケガキ線に沿って直線的に粗カットしていきます。数枚切るとバンドソーの刃がへたって来ますので作業で使ったブレードはFRP専用とするのが良いでしょう。




切り出したFRP板のかどをニッパーで粗取りし、中心にドリルで穴を開けます。これを長ネジでまとめたら旋盤で円盤状に削っていきます。FRPは非常に硬いのでハイスバイトでは刃先が持ちません。超硬もしくは高硬度材用チップで削ります。




必要箇所に超硬ドリルで穴あけします。私の場合は基本寸法を表したゲージをあらかじめ作製しておき、これを重ねて1mmドリルで痕をつけます。その後1mm-2mm(-3mm)と徐々に大径のドリルで穴を拡張していきます。一度に指定寸法の穴をあけると精度が出ない場合がありますので小径から徐々に穴径を拡張するのがコツです。




端子のハトメを圧着します。作例ではフライス盤をプレス代わりに使用しております。快削鋼でハトメをホールドするシャフトを製作しこれにハトメをセットします。フライスのドリルチャックには先端を4角錐状に削ったポンチをセットしこれらでハトメを圧着しました。




バネ端子が必要な場合はシャフトにハトメ、バネの順にセットしまとめて圧着します。




MAG-HID1基分のFRPパーツです。今回作製した寸法はデジタルノギス計測で直径33.80、32.03、28.75、20.00mmです。




3mmの真鍮長ネジを76.5mmにカットします。これに20mmにカットしたシリコンチューブ(外径5mm、内径3mm)を通し、両端にナットを取り付けておきます。




長ネジのナット間を64.2mmに調整したらFRPプレートを組み立てます。




両端をツライチにする、電池ボックスの全長を出来るだけ短縮するためにナットをグラインダで削ります。作例では全長73.5mm以下になるよう削り込みました。




絶縁リングを新規製作します。1mm厚のABS樹脂板で製作しました。FRPプレート同様、粗取りしたプレートを長ネジでまとめ、円盤状に外周を削ったら指定内径になるようトレパニング(切り離し)します。




製作したプラス側、マイナス側の絶縁プレートです。サイズは外径33.3mm、内径はそれぞれ14.3mm、24.2mmです。




マイナス端子と絶縁プレートを接着し、配線をハンダ付けします。マイナス端子はDセルを分解して取り出しました。私のお気に入りはマクセルのマンガン電池です。形状・メッキ具合・100円ショップで入手可能というところが優れた点です。




マイナス端子側の配線をハンダ付けしたら前項で作製したマイナス端子を接着します。




プラス端子は金メッキがかかったタミヤミニ四駆のゼロシャーシゴールドターミナルを加工して使用します。金メッキは端子の汚れに強く大電流を安定的に流せます。




プラス端子を接着したら各端子をハンダ付けします。今回、プラス端子側は気分で単線を使用しました。”表皮効果”、”インピーダンス”などは良くわかりません。^^;
結線したらプラス側の絶縁プレートを接着します。




電池を入れテスターで電圧をチェックします。




【ボディ旋削加工】

MAG2Dボディをチャッキングし、ライブセンターでホールドします。




エンドから131.0mmのところにクロス1.50mm(目盛り60)まで突っ切り溝を入れます。




トップスライド-25回転(-25.00mm)し、クロス1.20mm(目盛り48)まで溝入れします。




トップスライド5回転+目盛り8(5.20mm)まで戻し、クロス1.20mm(目盛り48)まで溝入れします。




ローレット部を削り取ります。(クロス10目盛り=0.25mm程度の深さで)




20TPIにて外ネジ切りします。




トップスライドを30.0°に旋回させテーパー部を削ります。




トップスライドを0°に戻したらネジきり部エンドを突っ切りバイトで軽くさらいカエリ・バリを取ります。




ボディを突っ切り切断します。




O-RINGを嵌め、フィッティングテストします。




カットしたボディをくわえ直し先端部を内ぐりします。ボディをチャッキングするときには傷つかないよう薄手のアルミをチャックとボディの間にかませます。アルミ缶のアルミ薄板はこの用途に大変適しています。 内ぐり内径は35.0mm、深さは39mmです。
内ぐりはバイトが撓んだり切子がバイトとボディ間に挟まり加工精度が出にくいので4,5回に分けて切削します。




【1940アルミリフ加工】

リフレクタはCarleyの1940アルミリフを削って使用します。ストックリフではプラ製のためHIDバルブの熱で熔けてしまいます。

1940リフには表面処理が『Light Orangepeel』、『Medium Orangepeel』、『Light Stipple』など色々な種類がありますが、中心輝度重視の場合はLight-OP、ビームシェイプ重視ではMid-OP、リフ自体の質感が一番優れているのがLight-STPだと思っております。


(左から順にLight OrangePeel・Medium Orangepeel・Light Stipple)




加工方法



1.チャッキング&芯出し






2.エッジよりトップスライド2回転+36&クロス15まで突っ切り(49.95mm以下)
 エッジよりトップスライド5回転&クロス52まで突っ切り






3.内面エッジよりクロス-1回転-35(目盛り45)&トップスライド2回転までボーリング(15.08mm以上)






4.長手1回転+11&突っ切り






5.フィッティングテスト




【テールキャップスイッチ製作】

テールキャップをチャッキング・芯出しします。




センタードリルを使い中心に穴を開けます。




ドリル(7mm〜13mm)で徐々に穴径を拡張します。




内ぐりバイトで内径16.55mmに穴を仕上げます。




アルミリング(外径20.0mm、内径18.0mm、長さ1.9mm)を切り出します。




アルミリングを接着しラバーゴムをセットします。




先に作製したFRPプレートにMIYAMA DS665Kオルタネートスイッチを接着します。




このパーツを接着します。




先に作製したFRPプレートにドーナツ状に切った厚さ0.1mmのアルミ板を接着します。




旋盤で回し、はみ出したアルミ板、接着剤を削り取ります。




配線用ラグ、バネ接点などを装着します。





ハンダ付け結線します。テールキャップ内周部とはアルミ板と裸線で接触する構造になっており、電気的な確実性は上がっていると思います。




FRP板を閉じます。裸線はFRP板ではさみ込んだ後、余分をカットします。




電池から取り外した絶縁リングを接着します。




【バラスト組み込み】

接点用アルミリング(外径20.0mm、内径18.0mm、厚み3.5mm)を切り出し、バラスト黒コードが通る穴をドリルで開けます。




バラストの樹脂はパーツクリーナーで脱脂しケガキ針で傷をつけEpoxy接着剤の食い付きを良くしておきます。




接点リングを仮止めします。バラスト樹脂部とリングの間の隙間にEpoxyを付け、Epoxy封入時にこれが漏れるのを防ぎます。




先に作製した+側接点をハンダ付けしたら、リング内部にEpoxy接着剤を満たします。




Epoxy硬化まで接点がずれないよう押さえておきます。フライス作業を行っているわけではありません。^^;;




黒コードの被覆を剥ぎ取り、バラストとボディ間でコードを挟み込みながらバラストを納めます。
バラスト固定のためにボディ内側には作業前にEpoxy接着剤を塗ってあります。
さらに作例ではGND強化のため、コードの余分をConductiveEpoxyで固定しております。

そしてヘッドに1940リフ、UCLレンズを装着し、各部を組み立てれば完成です。




これで長きにわたる作業はすべて完了です。
これまでMiniHID3rd製作にあたり、私をささえてくれた多くの方々に感謝申し上げます。m(_ _)m

おわり

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